オトノハリノさんの1stオリジナル曲「ハジマリノオト」を制作しました【楽曲紹介】

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「ハジマリノオト」

Vsingerとして活動されているオトノハリノさんの1stオリジナル曲を制作させていただきました。

今回は作曲・編曲・アイリッシュ楽器のレコーディングを担当しました!

いつもどおりアイルランド音楽とファンタジーの要素を詰め込んだボーカル曲になります。

動画では、私のアイコンを描いてくださった友人のイラストレーター・眠木めるさんによる素敵イラストも入り、大変見ごたえのある内容となっています。

私からは作編曲上のポイントについて以下にご紹介したいと思います。

ぜひ曲を聴きながらお読みください!

クレジット

Vocal / Lyrics / Movie : オトノハリノ https://twitter.com/otonohalino

Composition / Arrangement / Concertina / Tin Whistle / Low Whistle : Ryo https://twitter.com/ryo_concertina

Mix : 風街ピリカ https://twitter.com/pirikakaze

Illustration / Animation : 眠木める https://twitter.com/Nemurikomeru

楽曲のポイント

1.様々なファンタジー楽器が登場します

主な使用楽器:コンサーティーナ、ティンホイッスル、ローホイッスル、アイリッシュハープ、イーリアンパイプス、ピアノ、チェレスタ

リノさんからいただいたイメージをもとにして、以上の楽器を使って物語を表現しました。

通常のポピュラー音楽では使われないアイルランドの楽器を取り入れています。

今回はいつも私が演奏収録する3つの楽器に加え、イーリアンパイプスピアノが全面に出るように構成しました。

イーリアンパイプスはアイルランドのバグパイプで、息ではなく肘でふいごを押して演奏する楽器です。

その特徴的な音を曲中のサビ全てで鳴らし、冒険の雰囲気を盛り上げています。

ピアノはBメロから登場しますが、注目していただきたいのは2番Bメロ(1:51~)です!

チェレスタという鍵盤楽器とユニゾンで、キラキラ系オブリガードを奏でます。

ここは歌詞にある「静寂の海」を表現しています。

動画では、めるさんによる夕暮れの海のきらめきが、あまりにも曲にぴったりで感動しました。

私のメイン楽器であるコンサーティーナは、イントロや間奏などでやりたい放題演奏していますが、今回は初めて2番Aメロのオブリガード(裏メロ)を弾いてみました。

実は、2023年2月からの新しい楽器Carrollによる歌モノ収録は今回が初となります。

高音のメロディーでリノさんの歌と掛け合っています。

2.ドリア旋法とアイリッシュエアー風のメロディー

Aメロでは、アイルランド伝統音楽でよく見られるドリアン・スケール(ラシドレミファ♯ソ)を用いています。

短調で暗いようにも感じますが、「ファ♯」の音が特徴音として入ることにより、一気に民族的な雰囲気が出ます。

リノさんの冒険の物語を紡いでいく雰囲気にぴったりだと思い取り入れました。

また、同じ部分ではアイルランドの歌曲である「エアー」(日本ではサリーガーデンや庭の千草が有名です。)で聴いたことがあるフレーズを取り入れました。

具体的に言うとフレーズ終わりの「ドーーレミー レソーーシー ラーーシソー ラーーー」この部分です。

私はこの完全4度・短6度の音程に、すごくアイルランドの伝統的な雰囲気を感じています。

3.展開のきっかけとなる打楽器

フレーズの終わりや、次の場面へ向かう部分などで特徴的な打楽器を使用しています。

金物系打楽器、スレイベル、チューブラーベル、ジルです。

ジルは、トルコのフィンガーシンバルです。その名の通り指で持てる小さなシンバルで、片手に一つずつつまむように持って打ち鳴らします。

リノさんによる歌詞で、何かが動き出す部分に入れました。

1番サビ前「開かれる」、2番サビ前「蘇る」、Cメロ「物語が今動き出す」という部分です。

ぜひもう一度聴いてみてください!


4.変拍子のリズムと転調

曲は基本的に6/8拍子のリズムに乗って歌われます。

Bメロのみ5/8拍子に変わり、リズムに動きを出しました。

この部分の「足を踊らせ」「リズムに合わせ」という歌詞が素敵です。

大好きな転調ですが、今回もいつも通りやっております。

冒頭~AメロではAドリアン、Bメロ~サビはF♯マイナーとAメジャーを行き来します。

サビの最後はお決まりのsus4からのピカルディ終止。(短調において長調の1度の和音で終止するもの)

D→E→F♯sus4→F♯→(間奏)Am

ピカルディの直後はやはりAメロに戻るための転調。短3度で行き来する転調がやはり大好きです。


まとめ

曲を先に作らせていただいたこともあり、のびのびと自分の表現をさせていただきました。

私のメロディーにとても良い歌詞を当てていただき、完成時は感動でした。

皆様もぜひリノさんの歌声を聴き、ファンタジーな世界観を感じ取っていただけたら嬉しいです。

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